どう甘く見積もっても五百匹はくだらない。

 久住の能力は大勢の敵にはあまり効果的とはいえない。

 デイの力にしてもそうだろう。

 どうして俺は応援を呼ばなかったのかと今更ながらに後悔した。

 こちらは二人、不利なのは明らかだ。

 それでも余裕のある口振りにハッタリでない事を祈る。

「デイちゃ~ん、お返事は?」

 受け入れるのは当然だと考えている女の口調は実に腹立たしい。

「わざわざ来てくれて何だが従う気は無い」

「なんですって!?」

 思ってもみない態度にマリレーヌはヒステリック気味な声を上げた。

 久住は心中でざまあみろとほくそ笑む。

 このあとの惨劇を考えれば笑ってもいられないが、とにかくマリレーヌの間抜けな声を聞くことが出来たのは嬉しい。