この戦いにより、電話回線、電波回線など不通となっているが実は地下に霊術士たちが使う特別な回線が引かれている。

 本格的な戦いが始まるまでに通信衛星も打ち上げられるだけ打ち上げて仲間との寸断だけは免れていた。




 ──久住は受話器を見下ろし苦い表情を浮かべる。

 二人は勇介のマンションから霊術士たちが利用する宿舎に移っていた。

 建物は特殊なシールドによって守られているが、それほど強力とは言えない。

「うう……。どうしよう」

 デイのことを報告するべきなのか?

 そうしたらデイはどうなる?

 考えがぐるぐる回ってまとまらない。

「報告すれば良いだろう」

「デイ」

「その結果がどうなろうとお前の責任ではない。自身のすべき事をすれば良い」