「何用か」

「なんだ、気が付いていたのか」

 声と共にルーインが姿を現す。

「随分な余裕じゃないか」

「は、まさか」

 口の端を吊り上げるデイトリアに肩をすくめる。

「戦うために来た訳じゃないことくらい解ってるんだろ。まったく、頭が良くてムカツクぜ」

「早く言わんと久住が帰ってくるぞ」

「どうせならもっと遠い場所にある品物を言えよ。醤油なんてすぐにみつかるぞ」

「ほう、随分と人間界の事に詳しいではないか」

「優位に立つためには当然だ」

「勉強熱心だな」

 半ば皮肉めいた口調にルーインは軽く舌打ちした。