「でも──!」

「デイの言うとおりだ」

「てめぇ、前はただの人間だったくせにお偉くなったもんだな」

 小馬鹿にした態度に悔しさをにじませながら精一杯の皮肉を込める。

「以前のわたしとは違うんだよ」

「私には変わらないように見えるがね」

 それにガデスはピクリと片眉を上げ、しかしすぐ平静を取り戻した。

 気を取り直すように深く呼吸して久住に視線を合わせる。

「久住、キャステルに伝えろ。あと数日だけ待ってやる。デイトリアを素直に渡せばもう少し延ばしてやるともな」

「なに?」

 久住は言葉の違和感に眉間にしわを刻んだ。