「悪く思わないでくれたまえ、君はどういった理由にしろ魔王に狙われている。万が一にもその誘いに乗らないとも限らない」

「構わん」

「それよりも問題なのは人々が見えざるものを見てしまうことだ」

 今まで静かに静観していた童顔の男が苦い表情を浮かべた。

「人間が魔王になったために魔物共は何の苦もなくこちらに来ることができる。今まで見えなかったものを全ての人間が見てしまう。その時に人々がどうするのか誰も知り得ない」

 しかし、これまでにないパニックとなるのは明らかだろう。

「各国の首相に、これから起こる出来事を伝えなければなりません。そこにも、あなたたちの力が必要なのです」

 キャステルの言葉で会議は締めくくられた。