「でもっデイ!」

「確かに原因を作ったのは私だ。それについて言い訳をするつもりはない。責任を取れというのなら取ってやる。それはいつでも出来る事だろう」

「う──っ」

 男は揺るがない青い瞳に思わず狼狽えた。

「彼の言うとおりだ。佐伯(さえき)、落ち着きたまえ」

 長髪の男は静かに発して佐伯と呼んだ男をなだめた。

 腰を落ち着けた佐伯を確認するとデイトリアに向き直る。

「デイトリアス、君は今までどこの組織にも属さず単独で行動してきた。だが今は全ての人間が一つになり、これから訪れるであろう難関に立ち向かわねばならない。あらゆる組織は君の獲得にやっきになっていた。そういった意味では君がこの中心にいる事は、我々がまとまるうえで大変重要であると考えている。他の組織との話し合いは君を入れて行いたい。構わないかな?」