上品な壁紙に囲まれた部屋に重厚な造りの円卓が中央にどっしりと据えられている。

 美しい彫刻が施されたそれは、重要な事柄の時にのみ使用されるものだろう。

 それだけの重みが丸いテーブルから伝わってくる。

 その円卓に見合うだけの椅子がぐるりと据え置かれ、そこに数人が腰掛けていた。

 長い髭の老人、がっしりとした短髪の男、白髪混じりの中年男性に大柄な女性と、彼らの存在感は常人よりも強く感じる。

「君の言っていることは事実なのだね?」

 その中でも一際(ひときわ)存在感を放つ男が静かにしかし、低くデイトリアに問いかけた。

 年の頃は三十代前後といったところだろうか、腰まで届くほどの長い髪は金色と茶色のまだらになっており、細く落ち着いた瞳は鮮やかな緑色をしている。

 物静かな印象を与える動きはとても上品だ。