──正午過ぎ、太陽は真上で影を小さく形作っている。

「デイ!」

 自然公園の一角、人気(ひとけ)のない場所でベンチに座っていると久住 将(くすみ つかさ)が遠くから嬉しそうに駆け寄ってきた。

 満面の笑みでデイトリアの横に腰掛けると抱きつかんばかりの勢いで見つめた。

「どうしたんだ? 君から連絡くれるなんて、それにあいつは?」

 キョロキョロと周囲を見回し、勇介がいない事に怪訝な表情を浮かべた。

「組織の代表と話しがしたい。出来れば他の組織の代表にも連絡を頼む」

「え?」

 久住は表情を険しくして少し身を引いた。