「なるほど。やってくれる」

 溜息混じりに発して頭を抱える。

「私を当て馬にするとは」

「ごめんなさい……。ユウの気持ちに耐えられなかったの」

 遠く焦がれるあの人に想いをはせるたび、彼の熱い視線を思い出し胸を突き刺した。

 応えられない想いはエルミには苦痛だった。

 デイトリアは震えながら声を絞り出す彼女を一瞥し、再び深い溜息を漏らす。

「起こってしまった事は仕方がない。お前はそちらで話をつけろ。私は人間側と話す」

 発して、準備していた食事を冷蔵庫に仕舞い始めた。