「どういう事だ。愛しているだと?」

 何故その言葉が自分に向けられたのか理解出来ない。

 彼はエルミに好意を抱いていたのではなかったのか。

「ユウはあなたを好きになったのよ」

 困惑しているデイトリアにエルミは目を伏せて応えた。

「まるで事前に解っていたような口振りだ」

 彼女の言葉に怪訝な表情を浮かべた。

「それは──」

「話せ」

 赤い瞳がエルミを見据える。

 どうあがいても言い訳も言い逃れも出来そうにない。

「あ、あなたになら、きっとユウは心を移すと思ったの」

 視線を合わせずに途切れ途切れに応えた。