それにいぶかしげな表情を浮かべて向き直る。

 すると勇介の背後が渦を巻き始め、そこから三人の四魔将とルーインが出現した。

「どういう事だ」

 何故ここと魔界がつながるのかと眉間のしわを深く刻む。

 勇介はそんなデイトリアに再び腕を回し、その唇に自分の唇を重ねた。

「──!?」

「愛しているよ。だけど人間はもう嫌いなんだ」

 思いがけない行動に未だ目を丸くしているデイトリアに発して遠ざかる。

「勇介よせ!」

「願わくば俺の側について欲しい」

 遠ざかる青年に伸ばした腕は吹き荒れる風に視界を遮られ、再び目を開くと勇介たちの姿はすでに消えていた。