「あやまる事ではない」

 険のない物言いで応えて壁の掛け時計に目をやる。

 時刻はすでに深夜だった。

「寝た方がいい。おやすみ」

「うん、おやすみ」

 デイトリアの背中を見送り、一人になった静かな部屋で冷めた紅茶を傾ける。

 四魔将というからには、それなりに強いはずだろう。

 しかし、デイトリアはいとも簡単にその一人を倒してしまった。

 頼もしくはあるけどその反面、いまこうして普通に接していられることが不思議でならない。

 俺なんかと気軽に同居してていいのだろうか。

 あの強さは一体、何なんだろう。エルミもあんなに強いんだろうか?