勇介は、三人の言葉を耳にしながら戦いを見つめていた。

「心配なさらずともあの男はあなたのモノですよ。我々はそのおこぼれを頂くだけです」

 そんな青年にファリスは丁寧になおかつ、あざ笑うような態度で発する。

「なっ!? なに言ってんだ! 俺は別に──」

「あら、彼が好きなのはエルミじゃなかったかしら?」

 マリレーヌは眉を寄せていぶかしげに問いかけた。

 それに、「そうだね」とファリスは何かを含んだ笑みを浮かべる。

 しかし──彼らの予想に反して、デイトリアは疲れる様子を見せなかった。

 むしろ、ネイルの息が切れてきている事に三人は目を丸くした。

「そんなバカな。僕たちよりも体力があるというのか!?」

「奴は素手だ。だが、ネイルは大剣を振り回している」とファリス。