「なるほど、ルーインが言ってた通り口が悪いな。調教のし甲斐があるね」

 先に発した男の隣にいる、やや背の低い少年ともとれる魔物はデイトリアの言葉に長い金の髪をなびかせた。

「でも、ホントにいい男。可愛がってあげたいわぁ」

 四人のなかで唯一の女が口の端を吊り上げてデイトリアを見下ろす。

 勇介はガクガクと膝を震わせていた。

 四人の魔物から漂う異様な雰囲気に体が強ばり、動くことができない。

 デイトリアはそんな勇介に視線を合わせて小さくうなずいた。

 それだけで勇介は少し落ち着いた。

 勇介の安心したような表情を確認すると、デイトリアは立ち上がり四人の魔物に向き直る。

「ほうほう、これはまた。確かに殺すのは惜しい」

 紫の髪をした男が口角を上げた。

 もちろん、デイトリアがそんな言葉で反応するはずもなく、無表情に魔物を見つめた。