しばらくすると岡田がココアを差し出してきた。


「あっあの…用事って」

「あぁ…これ…‥」


岡田が持ってきたのは真優の物だと思われるパーカーだった。

「この間の忘れ物」


「あぁっ」


あの時、かなり焦っていた真優はパーカーなど目にも入らなかった。


「ありがとうございます」

真優は岡田にペコリとお辞儀をして帰ろうとしていた。

だけど、それだけにココアとか出すか??

岡田は口をパクパクして何か言いたそうにしている。

「あっあのさ…‥」

「??」


岡田は意を決したように真優を見ては口を小さく開く。

「ご飯…食べてかない??」

予想外の質問に口を開ける真優を見た岡田はハッとする。

「ごめんね、いきなり」


岡田は寂しそうに笑いながら頭を掻く。




「いいですよ??」

「えっ」


岡田もまた、驚いた顔をして口をパクパクさせている。


「…ありがとう」

岡田は微笑みキッチンへと行く。