「もう9時だよ」

「あ、じゃあ帰ります」


杉山は帰る支度をした。


「あ、先輩は…‥」

「あぁ…部屋が隣だから目覚めたら送るよ」


杉山はニコッと笑って「お邪魔しました」と言って帰っていった。

岡田には余裕がなくなった。
正直、寮の部屋が隣同士。その上、部活も一緒。さらに、副担。


少し前までは余裕があった。


しかし、杉山と真優の中を段々知っていく度に余裕がなくなっていったのがわかった。

岡田はため息をつく。


こんなに好きなのに。
どうして本当に欲しい者ほど遠く手に入らないのだろうか。


岡田は寝室へ行く。




真優の寝顔は可愛い。


「そんな顔しないでくださいよ」

岡田はベッドに腰かけた。

___今ならキスできる。

岡田は真優に顔を近づけた。