校内には、岡田の声で放送が流れる。しかも呼ばれたのは真優。あちこちのクラスから奇声が聞こえる。
「噂をすれば…」
舞は真優をにらむ。
___いやいやいや。
3階相談室はここの階で近いが反対側校舎。
___めんどくさい。
仕方なく教室を出て相談室へ向かう。


反対側校舎には使われている教室がなく、“資料室”や“会議室”として使われている。
とうとう目の前に相談室が現れると多少不安である。

___私、何か悪いことしたのかな。


真優は恐る恐るドアにノックする。
コンコンッ
静かな校舎に響き渡るノックの音。
「どうぞ」
優しい声が中から聞こえてくる。
「失礼します」
そっとドアを開けると相談室のソファーに座る岡田の姿が見えた。
「どうぞこちらへ」
岡田は自分が座る席とは反対側のソファーに指差す。

そのソファーに腰かけるとまたニコニコと優しい笑顔を見せた。
___怪しい…この先生の笑顔は妙に怪しい…!!
「さて、高橋さん」
___来た!!しゃべりだした!!
真優の手には自然と力が入る。
「放課後、剣道部保護者懇談会の資料の手伝いを手伝ってほしいんだ。いいかな??」
___な、なんだそんな話かぁ。