「じゃっ、じゃあ例えばトムとジェームズって言う名前の二人がね、」


俺は姉ちゃんに事の詳細を伝えるため、偽名を使うことにした。なんか名前がバレるとかマズイ気がするからトムは俺、ジェームズは春樹先輩ってことにしようと思う。


名前が外人って所は俺のセンスがイケてるってことかな!!!


「あっ、でもうーん……。なんかこー……もっとグッとくる名前あるかなぁ」と、悩みだす俺を「どうでもいいから早く話続けなさい」と言う姉ちゃんのつっこみにより話はまた再開される。



「トムはね、ちょっとお馬鹿さんっていうかね、おっちょこちょいって言うかね。うーん、なんかそのーー「トムは馬鹿なのね。で、ジェームズは?」



「え、馬鹿って一言で片付けたらトム、可愛そうだと思「話、続けなさい。意味、分かるよね?」


"はーい。分かりまーす"
なんて、この返事の速さは俺の良いとこだと思う。だってね、もしそのまま俺が話を続けようものなら、姉ちゃんの右ストレートが俺のお顔に決まっていたと思うんだ。


ーーつまり立派な正当防衛なんだっ!!!俺、偉い!!!自分の身は自分で守った。俺偉い!!!



「でねでねっっ。ジェームズはね、とってもカッコよくてお兄さんみたいな感じでね、それに頭もとてもいいの!!」


ただ相槌を打つ姉ちゃん。


「名前からも分かると思うけどね、トムもジェームズも男なんだけどさ。それがね、まさかっっ!!あのジェームズがね、ある日突然告白っぽいものをね、トムにしてきたのぉぉぉ!!!!」




「へぇー良かったじゃない。あんたと春樹さん、晴れてカップルにでもなったのか」


「いやーーそれがさーー。
姉ちゃんびっくりするよーーー?だってね、春樹先輩がー……って、


お、俺がびっくりだわあああ!!?あれぇええええ!??」


絶叫する俺の口には、もちろんネ〇がぶっこまれました。
俺、しばらく死にます。皆さんさようならあああ!!!どうかお元気でええええ!!!!!


そして、どうか……どうか、俺のこと、一人の男がここで戦って死んだことを忘れないであげて下さい。


ーーって、ぐはぁああああっ!?!?



「あんたが死んだら誰が話するんじゃボケぇぇぇ」


叩き起こされました。
生還おめでとぉおお俺〜!!!




ーーえー、では話に戻りますよー。


「な、なんで俺と春樹先輩が出てくるの!??いや、普通ありえなくない??」


「だって陸斗、春樹さんのことずっと好きだったじゃない」


「え゛ええええ!??」




初 耳




一体全体何が起こっているってばよ!!!だって、姉ちゃん、俺も春樹先輩も男だぜ??"漢"と書いて男だぜぇぇぇ???


何事ーーーーー!?!?