***


雪もすっかり溶けちゃいましたね。皆さんごきげんよう。


俺は別にね、数日前に言われた春樹先輩からの衝撃的告白に落ち込んでるとかね、全然ね、そんなことはないよ?心配しないでね本当。


心配、しないでね……本当……。




「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」



俺は頭を抱えてその場に勢いよくしゃがみこんだ。そこを偶然通りかかった姉ちゃん、いやお姉様に足で「そこ邪魔」とか言って蹴られる始末。ぅゔ……。


俺ね、思うんだけどさ。
"心配しないでね"って言う人ってね、実はすんげぇ心配されたいんだと思うんだっ!!!そう、まるで今の俺みたいに!!!←



「ねぇ、あんたほんッッッとうっさい。家から追放するわよ?」


「そ、そんなこと言わないでよぉ。姉ちゃん……」


相も変わらずドSすぐると思うこの方は俺の姉ちゃん、三神 帆乃花(ミカミ ホノカ)だ。


“ほのかちゃん”
なんてほんわかした名前……


な、名前と性格あってないじゃんんん!!!新手の詐欺だよ名前詐欺!!!




「ねぇ、口にネギ詰められたいの?」



「い、ゃぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!ネギ嫌ァア゙!!!」


ブンブンと首を振る俺。ネギって何なの食べ物なの……。ネギ食べるくらいなら、正直言って砂食べた方がマシだと思います。


こぇえよマジ。俺の姉最強伝説……。
あぁ、誰か俺の相談に乗ってくれる優しい人はいないんだろうか。


俺は急に黙り込むと、「どうしよう……」なんて珍しく弱音を吐いていた。




「なに、あんた。学校で虐められ「違うよっ!?もうっっ」


プンプンと怒り出す俺を、意外にも真剣な目で見つめてくる姉ちゃんに、俺は思わず姉ちゃんを見つめ返す。







「相談、乗ってやらないこともないけど……?」


(あれ突然のツンデレ。
優しい姉ちゃんとかあれっ??)


「じゃ、じゃあ姉ちゃんっ。姉ちゃんあのねっ」


俺は今の気持ちを、姉ちゃんに精一杯伝えたのだった。