そうそう。さっきカーテンを開けた時気づいたんだけどさ。


ーー真っ白な雪でいっぱいでしたヽ(゚∀゚*)ノ



俺は瞬きを繰り返す。


ゆ、雪だあああああああ!!!
ふわふわで真っ白な雪の絨毯が、一面に広がっているんだぜっ。


(あ、やべ。今の俺、表現力神すぐる……)


俺は呟いていた。
まるで、何かを思い出した時のような言い方だったと思う。



「やべ、雪だるま作らなきゃじゃん」



そうなのである。
雪が降ったと言うことは、雪だるまに雪合戦、かまくらだって作れちゃう!!!


「パラダイスだああああい!!ひゃっほーーーーーいいい!!!」


俺は飛び上がって喜んだ。


上着を着て、マフラーだけを首に巻いて急いで部屋から飛び出した俺。そのまま玄関だって突破だもんねーっ。


だけどちゃんと鍵は閉めたんだぜ☆
みんなが思ってるよりしっかり者です、キリッッ!!!


走って一個下の階に降りる。



【江戸川】と書いてある表札。俺は無論インターホンを押しまくっている訳です。


早く出てこないかなぁ!!!
早く出てこないかなぁ!!!
早く出てこないか、

[バタンッッ]

「あれ……今、陸斗っぽい人が写ってた気がするんだけど」


「い、いるよォ……。今ね、ドアと壁の間に挟まれてるけどねェ……」


「あ、わりっごめん。大丈夫?」


「ぺっっったんこになっちゃったんだぜ!!てへ☆」


「寒かったでしょ。上がって上がって。飲み物ココアで平気?」

「あ、ありがとうございまーす(m・□・m)」

「あいよー」



俺の決めポーズも華麗にスルーされた。けど、いつものことだから俺、負けないっ!!


そんなこんなで俺を中に招き入れて下さったのは、俺の憧れ江戸川春樹さん。
言い改め、春樹先輩でありますっ。


春樹先輩は現役大学生で、教育免許をとるため勉強に励むんでらっしゃる将来有望な先生の卵なのです!!!


「春樹先生、春樹先生!!雪がッ、雪が降りましたあああッ!!!」


ちなみに今、手を挙げて元気よく発言してる生徒の鏡とも言われるオレっちは、現役高校二年生。


……あれぇ?
今、「絶対小学生だろ、コイツ」とか思ってた人。陸斗先生がデコピンしちゃうんだゾっ!!

このっこのこのぉ〜。



ーーってちょ、石は人に投げたらいけないんだぞッ。やめて、ヤメテクダサイ。


「春樹先生って呼び方照れるからやめろって言ってるだろっ。って、雪降ってるの?」


「だから寒いのかー。気づかなかったー」なんて言ってる春樹先輩は、あったかほわほわのココアを俺の目の前にポンと置くと「どうぞー」って言って笑いかけてくれた。