時の流れに逆らって…

気が付くと千春はいなくなっていた



『……………………』



『……………………』



『……………………』



『……………………』



((きっ気まずい……))

二人とも同じ事を思っていた…

















『そういえば私は貴方の事をなんて呼べばいいの?やっぱり"親方様"?それとも"匡政様"?』

沈黙に耐え切れずに藍音は思っていたことを口にした

『アァ…匡政でいいゾ…』

『……きっとそれは千春サンたちに怒られると思うから止めとく…やっぱ"匡政様"かな♪』

『私は別に構わないのだが―…』

藍音は、匡政を呼び捨てにしたとたんに浅野に斬り殺されると思った

『やっぱ"匡政様"に決定!匡政様はいくつ何ですか?』

『私か?いくつに見える?』

藍音は考えた…絶対年上だよね……

『25歳ぐらい?』

『………心外だな……20歳だ…』

『エッ!落ち着きが有るから大人っぽく見えたのに』

(心なしか匡政様落ち込んでる?)

『そう言うそなたはどうなのだ?見たところまだ幼そうだが…』

『(ムッ…気にしてる事なのに)…今年で16歳です。こう見えて彼氏だって入るんですよ!』

『16歳だったのか?!ところで"彼氏"とは何なのだ?』

藍音はビックリした(この時代は彼氏の事なんて言うんだろう)

『………恋人………って事かな?』

『…………そなた好きな者がいるか?…』

『…………ウン…………』

そう答えた瞬間、匡政は悲しい顔をした
















……―ズキッ―……









何だろう?……この胸の痛みは……