もうキミの手を離さない


~小夏バージョン~

どうして・・・どうして海里の方が、重体なの・・・

私のせいで、海里死ぬところだったの?

そんな言葉が私の頭の中をぐるぐる回っている。

お母さんに「落ち着きなさい」と言われてから

私は、ずっと、本を読んでいる。

私の隣では、小雪が、本を読んでいる。

小雪は、さっきまで、「ごめんなさい、ごめんなさい」って

泣いていた。

今じゃ、落ち着いて、一緒に本を読んでいる。

「小夏、落ち着いた?」

お母さんがやってきて、そういった。

「うん。もう大丈夫。ごめんなさい。さっきは・・・」

「もういいのよ。そりゃ、恋人が、死にそうだったって聞いたら、

だれだってそうなるものよ。それより、小夏、さっき先生が、

小夏なら、海里君の病室に入ってもいいっていってたけど、

どうする?」

お母さんに聞かれて、私は、すぐに返事をした。

「うん!行く!」