もうキミの手を離さない


~小雪バージョン~

「それは、海里さんが、もう少しで死ぬところだったんだよ」

病院の先生は、ためらいもなくそう言った。

それを聞いた小夏は、混乱状態になってしまった。

      しーーん・・・

「えっ・・・へ・・・?海里が?死ぬところだった?そんな・・・う・・・そつかないで

よ・・・小雪嘘だよね・・・」

「・・・。」

私は、なにも言えなかった。

「そんな嘘だ!!だって最初に溺れたのは、私なんだよ?なのに、私を助けた

海里が、私よりも重体なの?ねぇどーして!!教えてよ!!なんで海里が!!」

「小夏、落ちつきなさい!海里くんは、大丈夫よ。いいから落ちつきなさい!!」

小夏のお母さんは、小夏を落ちつかせようとしていたけど、

私は、その場にかたまって、何も言えなかった。