倉庫兼事務所では、店長と瀬玲奈が話していた。


「店長…。テツくんが元気ないの……本当は理由わかってるでしょ」

奥でチェックしながら、瀬玲奈は言った。





「…あぁ。わかってるよ。瀬玲奈ちゃんもわかってるんだろ…?」

店長は、棚の横の机で煙草を吸いながら言う。






瀬玲奈のチェックの手が止まった…。


「わかってますよ……だって明日は、『あの子』の命日…でしたよね…?」



「そうだな…あれからもう4年たつんだ…テツもよく立ち直ったよな……」





「テツくんには…この4年、どんな想いだったんだろう……?」




「『あの子』がいたら……」




店長と瀬玲奈は言葉を失った………。









この2人はテツの『過去』を知ってるから――……。


恋愛ができなくなった、あの『きっかけ』を――…。