「はい…」



インターホンのスピーカーから、聞き覚えのある声がする。



「私〜っ♪」



慣れたようにカメラに手をふる恵子…。


「恵ちゃ〜ん。どうぞっ♪」


明るい香澄の声が、スピーカーからエントランスに響いていて、テツはそれだけで余計にドキドキした……。



――…ガチャ………


エントランスのドアの鍵が開き、同時にインターホンも切れた。