「…複雑なんだ。綾女ちゃんが幸せになるのは、嬉しいの…でも悲しい……」



「わかるな…。でもさ、大切な人だったら…ずっと絆は繋がってるよ…お姉さんに大切な人が増えたんだ…って思ってみたらどうかな…?お姉さんだって、香澄ちゃんの事…心配してると思うよ。だって、たった二人の姉妹だし、病弱な妹を一人にしておけないでしょ…?」


「…実際に綾女ちゃんは結婚を迷ってる…私のせいだよね……」



「そんなことない…香澄ちゃんのせいじゃないよ…実際にお姉さんに聞いてみたの…?」



「怖くて聞けないよ…それどころじゃなかったし…」


香澄は手で顔を覆った。