「香澄は…私達夫婦を説得して、産んだわ…」




「その子は…?」



「…可愛い女の子の…双子だったわ。…名前は、香澄がつけたのよ…。…『香恋』と『亜澄』って……」




「………!!!」



――そう……。


さっき、香澄の墓前で会った2人の女の子だ…。


「香澄は…早産で産んですぐ…私達夫婦に、香恋と亜澄を託したの…。香澄はね、テツくんに話そうか迷ったの。だけど、結局は言わなかった。迷惑かけるだけだからって…。私達の独断で、テツくんに話したわ」




『あの子達が…香澄と僕の子…』




テツはただ信じられずに、立ち尽くしていた。