テツの頭の中は真っ白だった…。

香澄の言葉は頭に入ってくるが…心は理解できなかった。




テツは香澄の手を振り切った。



「…もういいよっ!…香澄がわからないよ!」




「……ゴメン…」



「ゴメンばかり言うなよっ!僕も香澄を忘れるから…嫌いになるからさ…」




「…テツ…!!」



テツは…自転車に乗り、全力で走り出した。



香澄を一人残して…。






――これ以降、香澄に会う事は二度となかった…。