翌日俺は走りこみを始めた。
 「自分の欠点を見つめなおす・・・」
 大蔵の言葉が頭の中をぐるぐる回っている。
 「俺の欠点は9回を投げきるためのスタミナだ、限界まで・・・いや限界以上まで走り続けてやる!」
 「のう切田・・・」
 大蔵が切田に問いかける。
 「はい」
 「わしはあいつにお前に似た感覚があると思うんじゃがのう」
 「そうですか・・・」
 「まあよい、しかしあいつはよく走るのう」 
 「そうですね」
 「若いとはいいのう~」
 そういって大蔵は去って行った。
 そして月日が過ぎ夏休みに入った。