「よ~し!しまっていくぞ~!」
 幸次の大きな声がグランド中に響く。
 「お~~~~!!」
 みんなが返す。
 「ん?」
 おれが横を向いたときグランドの外には由紀がいた。
 「・・・負けられねえな」
 「プレイボール!」
 審判のコールがかかる。
 幸次からサインが出る。
 「行くぜ!」
 大きく振りかぶって、腕がしなる、ボールは幸次のミットに収まっていた。
 「ストライ~ク!」
 相手ベンチからおっ!と声が上がった!
 「さすがだな木座希・・・」
 近藤がつぶやいた。
 「近藤」
 相手の監督庄司明正が近藤に問いかける。
 「はい」
 「正直おれはお前よりあいつがほしかった・・・」
 「わかってますよ」
 「あいつを攻略するにはどうすればいい?」
 「まあ見ててください、じきわかります」
 「そうか・・・」
 「ストライ~ク、バッターアウト!」
 「よしっ!」
 1回を0点に抑えた。
 「ナイスピッチング!」
 幸次が話しかけてくる。
 「ああ」