オンボロなアパートに居る。


「オッサン、どういうつもり?」



「お前…キキか?」



何で…しってんだ?


「だったら?」


「会いたかった。
キキの父ちゃんだ。」


はあ?


父親だと?


「証拠は?」


「お前とおんなじミョウジ。証拠にならねえか…」


確かにうちの目に似てる。


「お前が…うちを捨てたのかよ…」


「あぁ。本当に申し訳なかったと思ってる。
でもお前に…


コイツが父親…


うちを捨てた…



「ふざけんじゃねえ!
今更何の用なんだよ!」


バコっと


オッサンを殴った…



オッサンは見事に受け止めた。


「グハっ…

申し訳ない。殴られても仕方ないよな…

だけど父ちゃんはキキに
ずっと会いたかった。
あの頃は父ちゃんも若かった…

母ちゃんも若くて心に余裕がなかった。


それからずっと父ちゃんはお前が気になってた。





「綺麗事…」



訳わかんねえ。



こんな奴が父親?


はあ?



馬鹿か…



「キキ頼む!父ちゃんともう一度暮らしてくれ。
母ちゃんはその…別れて父ちゃん一人なんだ」



馬鹿か。