「へぇー。礼をするから…。
これは、シノだよね?」

「いやいや、え?俺が悪いの?何で、俺ってわかんだよ」

「警戒心の多い松橋が引き受けるわけがないよね」

篠原は土下座をしたまま微動ざにしない。

何があったのかは忍と松橋しか知らない。

「あいつ、何してんだ?」

「駄犬は、あっち行ってな」

ふ、と伊崎は雑誌に視線を移す。
怪訝な顔をして雑誌を持ち上げる。

「これは何だ?」