「これは松橋だね」

雑誌のページに指を差す。

スススっと隣に指を差す。

「これはシノだね」

ある雑誌に一般人紹介に篠原と松橋が載っているのだ。

「…もしかして、あの時の…」

「何?松橋」

満面な笑顔の祥太だが完全に目が笑っていない。

「前に篠原とコンビニ向かう途中で知らない人が声かけて来て「お礼はするから撮らしてくれ」って」

確か名刺をポケットに入れたはずとポケットを探った。