青春途上中〈4〉

「松橋に何一つ伝えてねぇ癖に一端に束縛なんてしてんじゃねぇぞ」

普段より低い声。
半目で伊崎を見遣る。

ふ、と視線をズレたと思うと
篠原は顔をしかめる。

何だ?と後ろを振り向けば、東雲の隣に松橋が立っていた。

「松橋さん!」

忍が心配して駆け寄るのも仕方がない。

片目に眼帯をつけて、顔や腕にはガーゼなど手当てされているからだ。

「狂犬病は殺さねぇといけねぇな」

篠原は片方の口を歪まして煙草を投げ捨てた。