タカルコワの新婚旅行

「それでもナスタが一途に自分を思っているとみるや、金を要求してたらしいよ」




「そうなんですか」




「あたかも金に困っているようにみせかけてね」




ナスタが話さなかったことってこれだったんだな、とタカルコワは思った。




「それで、ナスタさんが今どこにいるか、心当たりはないですか」




タカルコワは用件を切り出した。




「さあ、あの子が辞めたのずいぶん前だしね。辞めて以来、付き合いないから」




「じゃあ、そのケネキという男がどこにいるか、ご存じないですか」




タカルコワはケネキのことを聞いてみた。