タカルコワの新婚旅行

「男の名前はケネキ。貸金業をやっていたのよ」




やがて、タカルコワが注文したお酒とおつまみがテーブルに運ばれてきた。




「本当は妻子もちだったんだけどね、ナスタちゃんにずっとウソをついてたらしいよ」




「独身じゃないって、長く付き合っててもわからないものですか」




女性は話を続けた。




「彼女、信じやすかったからね、疑わなかったんじゃない」




女性はまたタバコを灰皿に近づけ、灰を落とした。




「男は結構、本業で儲けてたらしくてね、結構あくどい商売だったらしいけど」




「へえ」