タカルコワの新婚旅行

「彼には今も妻子がいるんですか」




「別れたって言ってたわ。うそに決まってるけどね」




ナスタはタバコを灰皿に近づけ、またトントンと灰を落とした。




「ケネキさんのためにこの仕事を再開しようと思ったんですか」




「うん」




「なんで、ケネキさんのために再び夜の仕事をしようって思ったの」




タカルコワはナスタに微妙な距離感を感じ、丁寧語とタメ語が入り混じった。