ドサッ


私の体はやっと
収まる場所に収まった


先生が
地面すれすれで私を抱き止めていた


でも
抱き止めた先生は
先生じゃなかった…

荒々しい息づかい
禍々しい赤い瞳

口元からは牙


先生は私を見つめる目をゆっくり別な方へ移した

そして
唸り声を上げて睨む


その視線の先には


小柄な一人の女の子が立っていた

美しく巻かれたブロンドの髪に先生と同じ瞳の色

妖艶でしなやか体は人間にはありえない完璧さ


その美しい女の子は先生と同じように激しい唸り声を上げてにらんでいた


ただ
その視線の先にあるのは先生じゃなく


私…