「冴…。」


急に声が耳に届いて
声の方向を見た


暗闇の中から
ゆっくりと
先生が現れる


「先生…。」


「まだ
俺を呼んでくれるのか?」


悲しげな表情に
ズキン
胸が痛んだ


先生を傷つけてしまった


いたたまれなくなって
私から先生に近づく

「ごめんなさい…。
私の我がままで話してもらったのに
…先生を傷つけた…。」


また
溢れる涙


今度は
ひんやりとした指が
すくってくれる