Blood Smell

「お帰りなさい。
いらっしゃい、冴さん。」

相変わらず絶世の美女…

でも
表情はとても柔らかく慈愛に満ちていた


「さ、中へ。
冷えたでしょう?今、ホットチョコを用意するわ。」


「あ、ありがとうございます。」



リビングで先生の横に座る

室内は暖房器具が見当たらないが、とても温かく

緊張を和らげてくれる



「寒くないか?」


「はい。平気です。

先生…」


ひとしきり落ち着いたところで、私はずっと疑問に思っていたことに触れた


「さっき、私たちを襲ったのは…何だったんですか?」


私の目ではほとんど確認できなかったが

唯一見れたのは茶色の物体だけ


先生の本来の姿…
ヴァンパイアの力で戦わなくてはならないほどの相手…



先生は考えてる様子で
静かに目を閉じた