Blood Smell

ガラッ…


先生が戻ってきた

すでに私服に着替えていた先生の横に立っていたのは
「学園長先生!?」


「冴さん。
こんなことになってしまって申し訳ない。
ご家族には私の方から連絡しておきました。
すまないが、この週末は我が家で過ごしてもらいたい。」


低姿勢な学園長先生にこっちまで申し訳なくなってくる


「あ、はい。大丈夫です。」

私の言葉に学園長先生は微笑んで先生を見た


「母さんには連絡ておいた。家で待ってると思うから、冴さんを頼んだぞ。」


「あぁ。」


学園長先生が去った後
先生は私の鞄を持って
私をお姫様抱っこした


「せ、先生?走っていくんですか?!」


「家はすぐ裏だから、車よりも走った方が近い。」

窓から身を乗り出す先生

「ま、まって!
コウモリちゃんは?」


私はさっきまで一緒だった使い魔を探した


でも準備室の中には誰もいない




あれ?さっきまでいたのに…


「使い魔ならとっくに消えてる。いくぞ。」



ぐっと私を抱く手に力が入った瞬間


窓から勢いよく飛び出した