命と引き換えに
先生を諦める…?



体は震えて今すぐこの恐怖からの脱出を望んでる


目に染みる血



目の前には
今にも私に襲いかかろうとしている魔物…


それでも


私の答えは決まっていた



「嫌よ。
先生を諦めたりなんかしない!」


たくさん泣いて
悩んで

やっと
手に入れた恋


「バカね?
シュルドが人間なんか相手にすると思う?
ただの食料としてあなたをそばにおいてるだけよ。」


「違うっ!」


必死で言い返す声が森に響く


「違わないわっっ!
シュルドはね私のフィアンセなの!
私たちが生まれた時から決まっていたの。
あなたが入り込む余地なんて…初めからないんだよ!」



え…?


なに…?


痛みが遠退く


先生はエリザベスのフィアンセ…?



違う…
嘘だっっ!



「嘘だっ!」


地面に這いつくばって
悶える私をウジ虫でも見るような目付きで見下ろすエリザベス


「おめでたい人ね…
いいわ。
もう話しててもらちがあかない。
あなたには…消えてもらう…!」



一気に染め上がる炎の瞳

低く構えるエリザベス


殺られる!


先生!!



―エリザベスが私に飛びかかる―



助けて!!