先輩とバスケ

もう隼人さんのバスケしてる姿見えないの?



そんなのないよ。



「沙羅!」


え?この声は…



「隼人さん?どうして…」


「何?来ちゃ悪かった?」


いじわるげに少し笑う隼人さん。


いつも通りだ。



「沙羅頑張ったな。優勝おめでとう。」


あたしは汗だくにもかかわらず、うれしくて…でも辛くてどうしたらいいかわからず隼人さんに抱きついた。


「何?どうした?…ああ、俺が負けたからか?」


あたしはコクリとうなずく。


隼人さんはあたしを一瞬ギュッと抱き締めた。


そしていきなり放すとあたしの目線にあわせてはなしはじめた。


「あのなぁ沙羅。俺は負けた。確かに。だけどな、お前が泣く必要ないし、俺らは後悔してない。今までで一番面白い試合ができたんだからな。だからお前は今からまた全国向けて頑張れ。…な?」



「は…い…」


よしよしとあたしの頭を撫でる隼人さんは、あたしより悔しくて辛いんだろうと思う。


でもそれを口に出さないところは大人だなって思うけど、あたしには甘えて欲しいとも思う。