それでも、まだ。



そこにあったのは。


『うわぁ…。汚いな…。』


ゴミ、ゴミ、ゴミ…。
辺り一面様々なゴミが溢れかえっていた。


流し台には洗っていない皿が大量に積み上げられている。



『アハハ、汚いでしょ?後片付けを散々後回しにした結果だよ。実を言うと、この臭いを封印するためにも、扉を作ったんだよ。』


レンは苦笑しながら言った。

…確かにものすごく臭い。



『…俺たちも忙しい身だからな。なかなか片付かん。』



ジルも罰が悪そうに付け足した。


環境が良くないっていうのはこういうことであろうか。


でも!


『大丈夫です!私に任せてください。30分で片付けられます。』



料理の基本は後片付け!
…だと昔祖母に習ったはずだ。


いかに速く、きれいに出来るかが重要なのだ、多分。



『30分で?この部屋は結構広いよ?』


『はい!』


神田はグッと両手に拳を作った。


『…ゴミも大量にあるぞ?』


『ゴミ捨て場があれば大丈夫ですよ。』



心配そうな二人をよそに、私は掃除をさっさと始めたのであった。