お風呂から上がってテーピングをし直して戻ってくると、目を疑った。



『なにこれ……。』


『ん?何って朝食だが。』


『いや…それは分かります、けど…。』


『けど?なんだ。』



目の前にあるのはごく普通の皿に乗せられた料理。


…ではないと思う。



『これはなんですか…?』


神田は冷や汗をかきながらひとつのお椀を指差した。


『…?味噌汁だが。』


『…味噌汁って、普通青いですっけ…?』


いや、違うはずだ。
味噌汁は好きだが、青い味噌汁なんて見たことない。

というか、なんだか味噌汁がブクブクと泡を立てている。


『……?大丈夫だぞ、栄養に良いものばかりを混ぜたから。』


『何を混ぜたらこうなるんですか!?』


平然と答えたジルに、神田は思わず叫んだ。

そのとき、部屋のドアが開いた。

『おはよう。…ん?…アハハ、そういえば今日はジルが当番だったっけ。』


レンが笑いながら入ってきた。


『ジル〜、ダメだよ。これは真理ちゃんは食べれないって。』


『……?お前はいつも食べてるではないか。』



…レンはこの青い味噌汁をいつも食べているらしい。


神田が1人驚いていると、レンが苦笑いをした。



『アハハ、ごめんね。これ僕はおいしいと思うんだけどね〜。セシアが言うには普通食べられないらしいんだよね。食べたら3日寝込んでたし。』


『へ、へぇ……。』


…セシアが正しいと思う。

というか、どんな味がしたのだろうか。


レンはおいしいらしい。


…あ、でもやっぱり食べるのは気がひける。