それでも、まだ。



ーベシャッ!


『痛ぁ〜…』


うまく受け身を取れず思いっきり顔から転んだ神田だったが、額をさすりながら起き上がり周りを見渡すと、驚きのあまり痛みを忘れてしまった。



『…え?な、何ここ……。』



周りはとてもここが組織内とは思えないほど日の光が当たっているかのように明るく、そして色取り取りの花が綺麗に生えている。


ふと前をみると一面の花の中に道があり、そこをシロがテクテクと歩いているのが見えた。



『どこまで続いているのかな…?』



神田が吸い込まれるように後ろをついていき、ちょっとすると、花に囲まれた少し広いスペースがあり、真ん中には木製の丸いテーブルと椅子があった。



『わぁ…!なんか可愛いなぁ〜。』



思わず神田が駆け寄ると、テーブルの上には一冊の色あせた本が置いてあった。



『………何だろう?』



神田は椅子に座り、それをまじまじと見た。その間そばにいたシロはすかさず神田の膝の上に飛び乗った。



『……日記…?』


周りについている埃を払いながら見ていた神田だったが、ページを開き、少し読んだ途端、顔色が変わった。



ーーその日記は、正真正銘、セシアの母のものであったから。