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『……よし!このくらいで大丈夫かな。』
神田は部屋で小さな赤いショルダーバックに出来るだけ必要な物を詰め込んで、身支度をしていた。
ーー漆黒の森に行こう。
それが神田の辿り着いた考えだった。
ここで知ることができないのなら、違う所に行くしかない。
…それに、ここの幹部達を疑っている訳ではないが、シーホークが言ったことがもし本当だったら。
神田はぐるりと部屋の中を見渡した。
一人分しかなかった筈の部屋はいつの間にか全てが二人分になっていた。
マグカップも、服も、枕の数も……。
そのことが、神田にとっては嬉しいことだった。
当たり前のようにセシアと過ごせたことが。昔みたいに。
ーーでも、このままでは駄目だ。
私は、真実を知りたい。
神田は立ち上がり、パンパンと着ている灰色のワンピースの埃を払った。この色なら、あまり目立たないだろう。
『…よし!行こう!』
神田は拳をぎゅっと握りしめると、ショルダーバックを掛けると、静かに部屋の扉を開け、部屋を出て行った。
