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『……セ……!……セシア!』
ふわふわとしている中、セシアは自分を呼ぶ声がして目を開けた。
するとそこには安心したようなシキがセシアを覗き込んでいて……
迷わずセシアはもう一度目を閉じて寝る体制に入った。
『…おいぃぃぃぃ!なんでまた寝るんや!』
『…ちょっと静かにしてください。今私は定休日に入ったんで。』
『何が定休日や!単なる嫌がらせやないか!』
喚くシキにセシアはようやく目を開けて体を起こし、シキの方を見た。
いつもの態度とは裏腹に、シキの顔は思ったより窶れており、疲労感が見て取れた。
『大丈夫ですか?…黒組織が現れたんですよね。』
セシアの言葉に、ジルは目を見開いた。
『…セシア、何で知ってるんや…?』
『…さっき医者のお爺さんが少しだけど教えてくれたんです。…黒組織って、どんな組織なんですか?』
動揺するシキをよそに淡々とセシアが尋ねると、シキはなるほどな、と呟いて短髪の頭をガシガシと掻いた。
『…黒組織っちゅうんは、反人間組織や。昔、言うても12年くらい前か?俺らと対立して闘いになって滅びた組織だと思ってたんやけどな。』
『どうして今現れたんですか?』
『それは分からん。ただ、警戒せなあかんのは確かやな。』
『…そして黒組織が3ヶ月前の漆黒の森での事件を起こしたかもしれない、と?』
シキはピクリと眉を動かし、そのまま黙てしまった。視線は泳いでいる。
ーー図星か。…きっと今シキは自分がその事件の中身まで知ってしまったのかどうかが気になるのだろう。……残念ながら、知らないが。
この様子だとシキもこのことは教えてくれそうにない。……それなら。
『シキさん。頼みがあるんですが。』
シキは泳がせていた視線をゆるゆるとセシアに戻した。
『……私の、稽古をつけてくれませんか?』
ーーまず必要なのは、強さ。…自分自身で、知るために。
