それでも、まだ。


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会議を終えた後、アヴィルに言われた通り集まったセシア、レン、そしてシキは、組織を出て墓場とは逆の方向へ出て、とある村に向かっていた。



アヴィルも一緒に行くはずだったのだが、急用が入ったとかなんとかで、先に3人で向かっている次第である。




『…そういえばセシアは組織の人以外に会うのは記憶無くしてから初めて?』



先頭を歩いていたレンはチラリとセシアを見てふと呟いた。



『はい。…私たち以外にも、Seakは存在していたんですね。』



セシアは辺りに広がる砂漠を見渡しながら答えた。



墓場方面の景色とは全く異なる風景である。周辺には森どころか、草原さえ見当たらない。



『せやで?…Seakって言っても、ちゃんと子供もおるし、年寄りもいるんや。それに、皆が皆俺らほどの力を持ってる訳やないしな。』



『…どういう意味ですか?』



神田が怪訝そうに聞き返すと、レンが前を見たまま続けた。



『…持ってる力の度量は様々なんだよ。中にはほとんど能力を持たない者もいるしね。』



『そうなんですか…。』



セシアは相槌を打ちながら、満月の空を見上げ、ふぅと白い息を吐いた。



砂漠だからか、いつもに増して肌寒い。ここの春は、もう少し先のようだ。




『世界会議って、どんなものなんですか…?』



セシアはぽつりと上を見たまま呟いた。



レンとシキが一瞬息を飲んだのが気配で分かった。




――気になるのだ。



幹部が、あのレンでさえ、取り乱した世界会議というものが。



危険なのか、政府が信頼できないのか、はたまた違う理由があるのか――…。



そして神田はそこでちゃんと帰れるのか。



会議中からずっとそのことがセシアの心に渦巻いているのである。




『――Seakは人間政府の直属として存在し、如何なる時も順応であれ。』



レンは突然立ち止まり、静かに話し出した。



セシアとシキもつられて立ち止まり、レンの背中を黙って見つめた。




『人間のために存在し、人間のために世界の秩序を整えよ――』



レンはハハ、と渇いた笑いを漏らした。どんな表情をしているのかは、分からない。