それでも、まだ。




――ガラッ



『ジル、真理さん、此処にいるのかい?』




――ガタガタガタンッ!!




『…ん?どうしたんだい2人共。』



『『い、いや別に……。』』



ベルガの視線の先には、神田とジルが不自然に距離をとってくつろいでいる…ように見えた。



2人共何か飲み物を飲むような仕種でごまかそうとしているが、如何せん持っているものがジルが無線で神田が猫用ブラシである。



きっと動揺していることがバレバレだろう。



そして極めつけには赤い2人の頬――…。




ベルガは安心したように息を吐くと、クスクスと笑った。




『…邪魔したかな?』



『『いや別に!!』』



途端に身を乗り出した2人にベルガは吹き出した。



『…そうかそうか。』




柔和に笑うベルガに2人は暫く赤面していたが、やがて落ち着いたジルは静かに立ち上がった。



『それでベルガさん。何か用でしたか?』



ジルの質問に、ベルガは、あぁそうだったと呟きながら懐から何やらカギらしきものを取り出した。




『ちょっと地下に行ってきてくれないか?…真理さんも一緒に。』


その言葉に、神田もジルも首を傾げた。



『それはいいですが…。何故神田を?』



『いやいや、大したことじゃないんだがね。ちょっと調べてきて欲しいものがあってね。…多分、真理さんの力が必要だ。』



『私のですか…?』



『あぁ。まぁ、行けば分かるさ。』



そう言って苦笑を浮かべたベルガに、神田とジルは不思議そうに顔を見合わせたのであった。




部屋の出窓の上では、シロとクロが月明かりに照らされながら寄り添って静かに寝息を立てていた。